ピッタ体質またはピッタ乱れを感じる方
体と心をやさしく整えるペスカタリアン献立に興味がある方
目次
ピッタが乱れる梅雨から夏にかけての不調と対策
梅雨から夏へと、季節がゆるやかに移り変わるこの時期。
「なんとなくイライラする」「胃が重たい」「肌の調子が不安定」……
そんな、ほんの小さな不調を感じる瞬間はありませんか?
アーユルヴェーダでは、
この時期に乱れやすい「ピッタ(火のエネルギー)」が、
心と体のバランスをそっと崩してしまうと考えられています。
ピッタが高まると——
- いつもなら気にならないことにイライラしてしまう
- 胃が重く、食後の満足感が続かない
- 肌が荒れやすく、メイクのノリもいまひとつ
そんな“ちいさなゆらぎ”が、じわじわと積み重なり、
気づかないうちに心にも余裕をなくしてしまうのです。
だからこそ今、そっと見直したいのが、
「ペスカタリアン(魚介を含む菜食)」の食事法。
植物性の穀物・豆・野菜を中心に、
新鮮な白身魚や海藻類をプラスすることで——
- 余分な熱や炎症をクールダウン
- 消化にやさしく、胃腸を整える
- 体の内側から“涼”を届ける
そんな食事スタイルに、そっと切り替えてみませんか?
今回は、アーユルヴェーダの智慧と
ペスカタリアンの心地よさをかけ合わせた
「ピッタ調整の1週間献立&レシピ」をご紹介します。
忙しい日々のなかでも、自分をやさしく整える時間。
そんな食卓を、今日から、静かに始めてみませんか?
ペスカタリアンとは?
ペスカタリアンとは、
植物性食品を基本とし、魚介類も食べるスタイルの食生活です。
食べるもの
魚介類(魚・貝・海老・イカなど)
※ 卵・乳製品は人によってOK(ラクト・オボ ペスカタリアン=肉は食べないが、魚介類、乳製品、卵は食べる。の場合)
食べないもの
肉類(牛・豚・鶏など)
ピッタ体質が乱れるとどんな症状が起こる?
梅雨から夏にかけて、以下のような不調が起こりやすくなります。
胃の不快感・消化不良
肌荒れ・ニキビ・湿疹
これは、アーユルヴェーダでいう「ピッタ(火のエネルギー)」の高まりによるもの。
ピッタが過剰になると消化器系のトラブル、炎症、心の不安定さが現れ、心身のバランスが乱れやすくなります。
ピッタ体質におすすめ!ペスカタリアン食のメリット
① 消化にやさしい
→ 肉より脂肪が少なく、消化の負担が軽い。
② 良質なオメガ3脂肪酸
→ 魚介類からEPA・DHAが摂れ、ピッタの炎症や熱を鎮める効果に期待。
③ 植物性食材と相性抜群
→ 野菜・豆・海藻などと組み合わせやすく、栄養バランス◎。
心身を整える「サットヴァ(純質)」を養う。
④ 抗炎症・抗酸化作用が高い
→ 魚+海藻+緑黄色野菜で抗酸化ビタミンやミネラルが豊富。
肌荒れ・炎症予防にも。
⑤ 精神安定に役立つ
→ オメガ3・ビタミンB群・マグネシウムが多く、
怒り・イライラ(ピッタ過剰)を抑える。
⑥ 環境にやさしい
→ 陸上動物よりも環境負荷が少なく、サステナブルな食生活に◎。
ピッタの調整とペスカタリアン食の相性
調整ポイント | 食材例 | 効果 |
---|---|---|
冷やす | きゅうり・大根・トマト・ナス・海藻 | 体の熱を鎮める |
潤す | 梨・メロン・白身魚・イカ・エビ | 内側から水分補給 |
消化を助ける | ムング豆・豆腐・ひよこ豆・白米・うどん | 胃腸疲労を回復 |
炎症鎮静 | 鮭・鯖(脂注意)・海藻・緑黄色野菜 | 肌荒れ・イライラ予防 |
ペスカタリアン×アーユルヴェーダのポイント
→ 肉より軽く、消化火(アグニ)を整える。
→ 青魚・白身魚からEPA・DHAが摂れる。
→ 海藻・きゅうり・大根で「乾燥・熱」を和らげる。
→ 心の純粋性を高め、怒り・イライラを鎮める。
→ ピッタ体質・夏・梅雨に最適。
1週間ペスカタリアン献立で体と心はどう変化するの?
Before(ピッタ乱れ) | After(1週間後) |
---|---|
ほてり・胃の重さ・肌荒れ | 体の熱が落ち着く・肌しっとり |
イライラ・怒り | 気持ち穏やか・柔軟性UP |
焦り・完璧主義 | 集中力・余裕UP |
浅い眠り | 深くぐっすり |
胃もたれ・胸焼け | 胃すっきり・満足感 |
【ピッタ体質に良い食材】
きゅうり、大根、トマト、ナス、オクラ、梨、メロン
ムング豆、ひよこ豆、白米、玄米、大麦、オートミール
白身魚、イカ、エビ、鮭(控えめ)、豆腐、ツナ水煮
プレーンヨーグルト(酸味・量控えめ)
辛味(唐辛子・ニンニク)/酸味(酢・梅干し過多)/塩分過多
献立作成のポイント
こってり・スパイシーな料理はピッタを刺激するためNG。蒸す・煮る・和えるなど、消化にやさしい調理法を中心に。
白米・ムング豆・豆腐・ひよこ豆など、胃腸にやさしく負担になりにくい食材を積極的に使用。
きゅうり・大根・トマト・ナス・メロン・梨など、体内の余分な熱を鎮め、内側から潤いを与えるものを選ぶ。
タラ・カレイ・鯛などの白身魚やイカ・エビをメインに。青魚や脂の多い魚(鮭・鯖など)は量を控えめに使用。
プレーンヨーグルトは少量OK。酢・梅干し・チーズなどは控えめに。塩分も摂りすぎ注意。
ピッタの質(熱・鋭・軽)を整えるため、「冷・軽・潤」の質を持つ食材と調理法でバランスを取る。
ピッタ体質を整える!1週間献立&レシピ
※朝5割・昼4割・夜1割のバランス/ピッタ調整仕様
※メニュー名をクリックするとレシピページに飛びます。
1日目
朝:雑穀がゆ+梅干し+きゅうりの塩麹和え+白身魚(タラ)の蒸し焼き
昼:冷製そば(茹でオクラ・とろろ・しそ)+蒸しナスの味噌ダレ
夜:冷製トマト豆腐サラダ+玄米おにぎり(梅・しそ・白ごま)
2日目
朝:ライ麦パンのアボカドトマトオープンサンド+甘酒ヨーグルト
昼:赤パプリカとズッキーニのラタトゥイユ+雑穀ご飯
夜:冷やしそうめん(しそ・みょうが・海苔)
3日目
朝:ライ麦パン+バナナとヨーグルトの甘酒がけ+グレープフルーツ(1/2個)
昼:白身魚の塩焼き+枝豆ごはん+ひじきとにんじんの煮物
夜:きゅうりとわかめの酢の物+冷やし味噌汁(豆腐・みょうが)
4日目
朝:ライ麦パン+豆腐ディップ(味噌・白ごま)+蒸しブロッコリー
昼:野菜と豆腐のココナッツカレー+玄米
夜:トマトと大葉のサラダ+豆腐の冷やし茶碗蒸し風
5日目
朝:雑穀がゆ+焼きなすのすりごま和え+甘酒
昼:鮭の南蛮漬け(玉ねぎ・ピーマン)+冷やしうどん
夜:とろろ昆布とわかめのお吸い物+枝豆ごはんおにぎり

6日目
朝:ライ麦パン+りんごコンポート(レモン風味)+ヨーグルト+グレープフルーツ(1/2個)
昼:ズッキーニと白身魚の蒸し煮+麦ごはん+切り干し大根の煮物
夜:冷製ポタージュ(かぼちゃ・豆乳)+玄米おにぎり

7日目
朝:玄米粥+しそ・梅肉+いんげんの白和え
昼:グリル野菜(パプリカ・なす・玉ねぎ)+冷奴(きゅうりやミョウガのせ)+雑穀ごはん
夜:冷やし中華風サラダ(春雨・きゅうり・わかめ・しそ)

✅買い物リストまとめ(7日分/目安量) / (1人分)
【魚類】 ・白身魚(タラなど)…4切(400g程度) ・鮭…2尾(200g程度) 【主食類】 ・雑穀米…4合(600g) ・玄米…4合(600g) ・ライ麦パン…6〜8枚(4食分) ・押し麦…50g(麦ごはん用) ・冷や麦/そうめん…200g ・そば…200g ・うどん…200g ・春雨…50g 【大豆製品】 ・豆腐(絹or木綿)…4丁(1200g) ・甘酒(砂糖不使用)…700ml ・ヨーグルト(無糖)…500g 【野菜類】 ・きゅうり…4本 ・なす…3本 ・トマト…4個 ・ズッキーニ…2本 ・赤パプリカ…2個 ・玉ねぎ…4個 ・ブロッコリー…1株 ・大葉…1パック(10枚) ・しそ…1パック(10枚)※しそと大葉で計20枚 ・みょうが…5個 ・生姜…1片(20g) ・オクラ…1袋(8本) ・ピーマン…2個 ・いんげん…1袋(100g) ・かぼちゃ…1/4個(300g) ・切り干し大根…30g ・枝豆(むき身)…200g ・にんじん…1/3本 【海藻類】 ・わかめ(乾燥)…20g ・とろろ昆布…10g ・海苔…適量 【果物】 ・バナナ…2本 ・りんご…2個(大きめのなら1個でOK) ・グレープフルーツ…1個 ・レモン…1個 ・アボカド…1個 【調味料など】 ・味噌・白ごま・塩麹・酢・醤油・塩・こしょう・オリーブ油・ココナッツミルク(300ml)・砂糖・みりん・酒・カレー粉(カレーパウダー)
※冷蔵/冷凍保存を活用すればムダなく使えます。
※大葉、みょうが、しそなど香味野菜はまとめて1パックでOK。
【1回目(1~3日目分)】
【魚類】 白身魚(タラなど)…4切(約400g) 【主食類】 雑穀米…2合(約300g) 玄米…1.5合(約225g) ライ麦パン…4枚 そば…200g そうめん…100g 【大豆製品】 豆腐…2丁(約600g) 甘酒…250ml ヨーグルト…200g 【野菜類】 きゅうり…2本 なす…2本 トマト…2個 ズッキーニ…1本 赤パプリカ…1個 玉ねぎ…2個 大葉…5枚(約半パック) みょうが…2個 しそ…5枚(約半パック) オクラ…4本(約半袋) ピーマン…1個 にんじん…1/3本(約30g) 枝豆(むき身)…100g 【海藻類】 わかめ(乾燥)…10g 海苔…適量 【果物】 バナナ…1本 グレープフルーツ…1/2個 アボカド…1個 【調味料】 味噌・白ごま・塩麹・酢・醤油・塩・こしょう・オリーブ油・砂糖・みりん・酒
【2回目(3~4日目分)】
【魚類】 鮭…2尾(約200g) 【主食類】 雑穀米…2合(約300g) 玄米…1.5合(約225g) うどん…200g 【大豆製品】 豆腐…2丁(約600g) ヨーグルト…200g(1回目の残り分) 【野菜類】 きゅうり…2本 なす…1本 トマト…2個 玉ねぎ…2個 赤パプリカ…1個 ピーマン…1個 しそ…5枚(約半パック) みょうが…2個 いんげん…100g(1袋) 枝豆(むき身)…100g 【海藻類】 わかめ(乾燥)…10g とろろ昆布…10g 【果物】 りんご…2個(大きさによっては1個調整可能) 【調味料】 ココナッツミルク…300ml カレー粉(カレーパウダー)…適量
【3回目(6~7日目分)】
【主食類】 玄米…1.5合(約225g) 押し麦…50g 雑穀米…1合(約150g) 【大豆製品】 豆腐…2丁(約600g) 【野菜類】 かぼちゃ…1/4個(約300g) ブロッコリー…1株 【果物】 レモン…1個 【調味料】 塩麹・オリーブ油・醤油・こしょう・みりん・酒
季節と体質に合った食事で、心と体をやさしく整える
ピッタ体質を整えるための基本は、
「冷やしすぎず、辛味は控えめに、適度な油分をとること」。
特に梅雨から夏にかけては、ピッタが高まりやすい季節。
だからこそ食事内容の見直しは、日々の大切なセルフケアとなります。
今回ご紹介したペスカタリアン献立は、
アーユルヴェーダの智慧と和食の繊細さを融合し、
白身魚・豆類・旬の野菜・海藻類をバランスよく取り入れた内容です。
内側から熱や炎症を静め
心身をそっと穏やかに保つ
そんな工夫がぎゅっと詰まっています。
また、「朝5割・昼4割・夜1割」という食事のバランスもポイント。
これは日本人の現代生活やピッタ体質の特徴を考慮し、無理なく続けやすい形にしたものです。
アーユルヴェーダの理論では、本来は昼に消化力(アグニ)が最も高まるため昼食をメインにするのが基本ですが、
「朝のエネルギー不足を補い、夜は消化負担を軽減する」ことも大切。
だからこそ朝にしっかり食べるスタイルは理にかなっているのです。
そして、忙しい現代人に嬉しいのが、冷凍食材や乾物、常備ストックの活用。
フルーツや魚介類は季節や気分に合わせて自由にアレンジできるのも嬉しいポイントです。
季節と体質に寄り添った食事は、
日々の不調や疲れをやさしく整える、最も身近なセルフケア。
心も体も軽やかに、
今日から少しずつ、じぶんを整える時間をつくってみませんか?

季節の変わり目に心や体がゆらぐことが多々あった私…。そんなとき、自分にやさしく向き合う時間がとても大切だと感じました。
Pauseでは、そんな「わたしを整える」ための7日間セルフケアを、アーユルヴェーダとヨガの視点からまとめたnote有料記事をつくりました。
🌿《Pause式・わたしを整える7日間セルフケア for ヴァータ》
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